私たちの職場や生活にも深く関係する社会保障制度とは何なのか。6月3日、金融審議会が発表した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書では、「年金だけでは老後の資金を賄うことができないために95歳まで生きるには夫婦で2,000万円の蓄えが必要になる」とし、現役期から資産形成するよう促された。さらに麻生財務相が国民に対し無責任な発言をしたことが波紋を呼んでいる。

少子高齢化は突然起こったものではなく、平均寿命も突然延びたわけでもない。また、2014年に国民が危惧する中で年金積立金の運用比率をリスクの高い株式投資へ厚くし、その運用結果を公表もせず、個人に株投資を促すこと自体に疑問を感じる。

社会保障制度は、「保険的方法又は直接公の負担において、困った時には、国家扶助によって最低限度の生活を保障する」とともに、「すべての国民が文化的に生活を営むことができるようにする」ことではないか。それを自己責任とするならば国家の根幹が大転換することになる。

私はお互いに支え合う社会を守りたい。