4月上旬、奈良県東吉野村のNPO法人労組を訪問しました。この法人では、古民家を改装して小規模居宅多機能介護事業を行っていました。東吉野村は、かつて林業が盛んで1965年の国勢調査では人口が8,187人でしたが、2015年同調査では1,745人に減少し、高齢化率も50%を超えています。山間部に位置し、公共交通も限られていますので、高齢者が暮らしていくには不便を感じる場面が多い村です。
そこで、役場職員のOBがかつて労働組合の自治研活動で学んだことを実行に移し、このNPO法人を立ち上げました。介護保険制度などを利用し、デイサービスやホームヘルプサービス、居宅介護支援、多機能ホーム、買い物・通院などの移動支援、弁当配食、拠り所喫茶などの事業を展開しています。在宅で暮らしていきたい、地元で暮らしていきたい、という高齢者を支えるため日々奮闘していますが、介護報酬改定の影響もあり厳しい経営に晒されています。住民が地域で暮らしたいという思いを叶えるための国の福祉政策はどうあるべきか考える機会となりました。地域の福祉現場に即した政策の実現をめざします。