7月25日から27日まで、北海道十勝管内の自治労単組を訪問し、意見交換をしてきました。
人員不足や過重労働の課題、とくにコロナ関連の業務過多は深刻です。様々な給付金やワクチン接種を担当する現場は二転三転する国の方針に振り回されてきたことを実例を上げてお話ししていただきました。
非課税世帯への臨時特別給付金は、当初国に確認したら「租税条約に基づき課税が免除された外国籍の住民」も給付対象であると言われていたから給付したのに、その後、Q&Aで対象外という通知が出され、誤支給という謝罪とともに返還をお願いすることとなった。
自治体は租税条約を調べる手段もなく、今も外国人への給付に苦慮している。新年度に入ってからも継続となったが、転入者が対象となるのかどうか、二重払いを避けるために要する確認作業はとても大変な状況にあること。
また、クーポン券か現金かで迷走した子育て世帯臨時給付金は、結果的に現金一括支払いが可能となったが、提出書類は5万円ずつ当初どおり2つに分けて提出しなければならず、かかった経費を無理やり2つに分けるという二度手間状態であることなど、実務を担っている自治体現場から見ると無駄なことが多いことがわかります。
私もその都度、現場の混乱を政府に伝えてきましたが、省庁の担当は給付金によって異なるため、こういった課題が次に活かされていないことに憤りを感じます。訴え続けることが大事なので、いただいた課題は意見していきます。
5回目に向けたコロナワクチンもインフルエンザワクチンとの関係がどうなるのかなど不明瞭なことが多く、早急に方針を出してほしいといった要望も受けました。
また、マイナンバーカード普及率を地方交付税へ反映しようとする国の動きには、多くの自治体から疑問の声がありました。
デジタル化の推進は必要であるものの、カードにこだわる必要はないのでは?むしろスマホにしてほしいという意見も。保険証利用にかかる負担金や個人情報漏えいを防ぐための回線への懸念などもありました。
定年延長など多くの課題を直接伺うことができましたし、ゼロカーボンに向けた取り組みや地方創生といったお話しもお聞きしています。
会計年度任用職員に寒冷地手当支給を勝ち取ったなど処遇改善した単組もありました。手当や休暇制度など改善していきたいです。
十勝は一次産業が盛んな地域ですが、物価高騰による影響もお聞きしました。建築資材の高騰で自治体財政にも負荷がかかっていることや、肥料や飼料の高騰で農業・畜産・漁業経営が逼迫するなど、事態は深刻です。
政府が対策として出している肥料の2割削減要件は実情に合っていませんし、漁業も含め対策が必要です。
地域や住民の困り事を解決したり、より良いものへとするためにも、地方自治の課題を解決することは重要です。
最後に全日通帯広支部にも立ち寄らせていただきました。佐藤書記長は同郷の出身ですが、スペシャルゲストとして栗沢町出身の労金職員さんともお会いできました。地元ローカル話に花を咲かせたところです。
十勝の皆さん、ありがとうございました!